北海道はコンブの大生産地です。
ここでは、私の拙い知識で北海道の主な種類を紹介しています。
北海道産コンブのおおまかな分布域
マコンブ(Laminaria japonica Areschoug)
道南の太平洋沿岸を中心とした分布域で、室蘭市から噴火湾、津軽海峡
をへて松前町の松前小島までが知られています。2年生が成コンブとな
り、生育地帯の違いにより白口浜、黒口浜、本葉折り浜と呼ばれていま
す。白口浜と黒口浜の違いはコンブを切った時の断面が白っぽいか、黒
っぽいかで判るとの事です。高級だし昆布のほかおぼろ昆布、塩昆布に
用いられています。 、
ホソメコンブ(Laminaria religiosa Miyabe)
道南の福島町、松前町から日本海側を中心に天売、焼尻島までが知られ
ています。北海道の日本海側は磯焼け地帯が多く、ホソメコンブはある
意味では磯焼け地帯のコンブと言えます。磯焼け地帯ではキタムラサキ
ウニが多く発生している所があり、ホソメコンブが食害にあっている姿
をよく見かけます。ホソメコンブは1年生のコンブですが、日本海側の
ウニやアワビの餌として重要な役割を果たしているコンブに違い有りま
せん。とろろ昆布などの加工用に用いられていますが、私のところでは
だし昆布に使っています。個人的には美味しいと思っています。 。
リシリコンブ(Laminaria ochotensis Miyabe)
名前のとおり利尻島をはじめ、礼文島、稚内周辺域、留萌周辺域が知ら
れています。道北の日本海側の代表種で、2年生が成コンブとなります。
最高級のだし昆布として知られ、だしの香りの良さと濃さが優れている
とされています。このようなコンブを食べて育ったウニだからこそ利尻
、礼文島のウニが絶品なのもわかるような気がします。 。
オニコンブ[ラウスコンブ](Laminaria diabolica Miyabe)
知床半島羅臼沿岸、厚岸、根室周辺域が知られています。2年生以降が
成コンブとなり品質も良好で、良質のだし昆布として知られています。
北海道に生息する主な種類のコンブの中では、生息領域が限られている
高級コンブです。 。
ナガコンブ(Laminaria longissima Miyabe)
釧路から根室半島突端までの周辺域が知られています。北海道では貝殻
島周辺での棹前コンブ漁が有名です。毎年ニュースや新聞記事になる棹
前コンブ漁は、季節観の実感できる風物詩の一つになりつつあるように
思います。棹前コンブ漁はナガコンブの間引き漁ですが、柔らかい肉質
はおでんなどの煮物に最適で、昆布巻きや塩昆布、佃煮などの加工品と
して広く利用されています。コンブを食べることでは沖縄の方が一番食
されているようですが、棹前コンブのおでんを食べると沖縄の方がコン
ブを食べることの意味が良く判ります。ほんとうに美味しいです。 。
ミツイシコンブ(Laminaria angustata Kjellman)
日高地方を中心とした太平洋岸域が知られています。比較的浅い場所に
多く、波打ち際に群生しています。幅のない細長い形体が特徴で、日高
昆布として売られているのをよく見かけます。だし昆布として、昆布巻