「ホタテ貝殻を有効利用した藻場造成技術に関する研究」  コンブ、ウニ、モク類、アイナメの産卵等 貝殻基質は多様な生物環境に適応する 
数多く着生した1年目のコンブ こちらはその時の貝殻基質の状況
同じ調査場所の2年目のコンブなど こちらは2年目のコンブと貝殻基質の状況



晩秋の頃、1年目のコンブ 貝殻基質にしっかりと根を固定している



エゾバフンウニ コンブを食べている
ガゴメと共に着生したモク類 多数の天然個体が着生している



アイナメが潜んでいた 葉が取れたコンブの根に産卵している
産み付けられたアイナメの卵 卵は様々な色彩を持ちカラフル



ホタテ貝殻着生基質の多様性について

 ホタテ貝殻着生基質はコンブ、ガゴメ、モク類等の海藻類はもとより、ウニ、アワビ、魚類の産卵場として活用できることから、多様な生物環境を提供できる基質としての活用が期待できます。

 海藻類の群落=藻場はプランクトンを増殖させます。海藻に産卵された卵はやがて孵化し、稚魚は海藻類に身を隠しながら生活し成長して行きます。稚魚達にとっては、餌場として、また隠れ家として重要な役割をはたすことから、正に「海のゆりかご」と言える存在です。

 貝殻からできているこの着生基質には隙間や凹凸が多くあります。隙間や凹凸は海藻類の着生面を増やすだけではありません。隙間には多くのゴカイ類が生息し、魚類や甲殻類の餌として重要な存在です。また、稚エビ、稚ガニ、稚ウニ、稚貝などもこの隙間には数多く生息しています。天敵から身を隠す場所として重要な役割をはたすことから生存率は高く推移すると考えられています。